「ん…」朝の爽やかな日差しで俺は目を覚ます…ん? 「日差し…?」ここで俺は妙な違和感を覚える。 (日差しって…雨戸締め切ってるし…電気はキチンと消したハズだが…) 考えているうちに冷静になったのか、今度は周りの景色に目がいった。 「OK、これは夢だ。」当然だ、なんでよりにもよって目が覚めた世界が R O は イ ズ ル ー ド 中 央 の パ ン 屋 前 な ん で す か ? (確かこれって…明晰夢ってヤツだよな?) 明晰夢:夢だと認識している状態で見る夢。 (だったら…思いっきり楽しまないとなっ!) 『ネタ罠ハンター、ここにあり』 衛星都市イズルード。プロンテラの南東に位置し、アルベルタやコモドファロス灯台、 バイラン島への快速船等が行き交う港町。 剣士ギルドもあり、剣士、そしてその上…騎士や十字騎士を目指すノービス達が訪 れるそれなりに活気のある街だ。 そして、俺やRO内の知り合い達の溜まり場でもある…まぁ、これはゲーム内でのハ ナシなので関係無いが。 「さて、まずはどうしたものか…?」 とりあえず俺は自分の身の回りをチェックする事にした。 +4名射手のりんご、望遠鏡、タバコ、+4メントル オブチャンピオン、ソウrってオイ! まさか…まさかまさかマサカ!! 取り急ぎ俺は快速船の船着場まで走り、海面に自分の姿を映す…OK、予想的中。 …見事にRO内でのマイキャラ、デフォ金髪♂ハンターの姿が再現されてましたとさ。 (ところで何で+4って解ったんだろう…?) そんな疑問も浮かんだが深く考えない事にした。 試しに弓を構えてみる、物凄くしっくりくる。これならアローシャワーも打てそうだな… 「クックックックックック…まさか現実に実践できる日が来るとは…」 「(*'ー')フフフフフ'`'`(´Å`),、,、( ゚∀゚)アーハハハハ/|/|」 ……………ん?何か視線を感じるな…? 「やだぁ〜なにアレ、なんか高笑いあげてるしぃ〜」 「うっわ〜マジキモいよね、あっコッチ向いた!早く逃げよっ!」 ……………HAHAHA、若いオナゴの評価は厳しいZE…orz とりあえず手持ちのアレを確認…うん、50コあるか…これだけあればOKだな。 まずは手近なターゲットを探す、よし、目標補足。 さしずめ  ┏   ┓Target          ┼   Lock on   ┗   ┛ ってヤツだ。 俺が確認していたアレとは、つまりハンターには欠かせないアレである… そう、「設置用トラップ」だ。 狩りではアンクルスネアやサンドマン等、戦闘を有利に進める為には欠かせないブツだ。 そして街中では…最高の宴会芸へと早変わりする!そう!トーキーボックスだ!! ターゲットは♂モンクと♀アサの二人組み…どうやら青箱を開けるか否か話し合ってるようだ。 「やっぱ開けるしかないっしょ、夢に賭けるのがロマンってもんだ」開ける気マンマンなモンク。 「えー、でもコレ売ればウサミミ買えるしー」あまり乗り気ではない模様のアサ。 「でもさー、もし開けたら…」モンクが切り出す、今だ!! 俺は取り急ぎ設置用トラップに文字を書き込みモンクに駆け寄りながらトーキーを発動させる。 「トーキーボックス!!」 「「!!?」」突然の事に驚きを隠せないモンクとアサ…そして発動したトーキーに浮かび上がる… 【っ[矢]】の文字列 (そういえば日本語で書いたけど大丈夫なのかな…?) 「な、なんだってー!?」…OK、通じたらしい 「あ…ありえる…アンタならやりかねないわ…」驚きながらも妙に納得しているアサ。 反応に満足したオレは二人に「/最高」エモを真似たポーズを取り颯爽と駆け抜けていくのであった。 「うぅむ…伊豆はイマイチ人口が少ないな…」それなりに賑わってはいるが、あくまでそれなりだ。 「ここはいっちょ…あそこしかないな…」俺は心の中でそう思い、イズルードを後にした。 …………… ……… … 「勇気ある物達よ!我と共にグラストヘイムに挑戦してみないか!」ペコ騎士が叫ぶ 「そこのアーチャーさ〜ん、一緒に崑崙いきませんか〜?」 「うはwwwプリ産wWw一緒に騎士団ww行wかwなwいwかw?wwWっうぇ」 (やっぱココは活気があるなぁ〜…ヘンなのもいるが) そう、俺が足を運んだのはプロンテラ南門近く、通称「臨公広場」だ。 サスガにLvの概念は無いだろうが、やはり雰囲気でわかるものなのだろうか? だとしたら低Lv臨に誘われるのって結構屈辱かも… 「まぁ、そんな事は置いといて、と。」早速辺りを見回して獲物を探す…お? 「あ、あのさ…き、今日は君に、その…渡したいものがあって…」緊張のせいかガチガチな♂アサ 「え?渡したいものって…?」天然なのか演技なのか、そ知らぬ顔の♀プリ 「これ…たまたまおもちゃ工場で拾ったから…」そう言って差し出したのは… (て、天使のHBぉ!?Σ(゚Д゚)) (とりあえずネタは決まったな…) 「えっ!?そ、その…いいの?こんな高価なもの…」天然なのか演g(ry 「あぁ、気にしないでいいよ、どうせ拾い物だし。」笑顔で答えるアサ (今だ!)俺は急いで「2つの」トーキーを用意する。 「トーキーボックス!!」「トーキーボックス!!」 「「えぇ!!?」」 ショックエモでも浮かべてそうな表情の二人の頭上に映し出される… 【(*´Д`*)ハァハァ、これでプリさんゲットだぜぇぇぇぇぇ!!イヤッホゥ!!】 【クスクス、馬鹿な男…そうやっていつまでも私に貢ぎつづけるがいいわ!('ー'*)】 「えっ!?いや、ちが…」 「なっ!なんでバr…いえ、そんな事!」 「バr…って…プリさん…まさか…」 (クククク…動揺してる動揺してる…)心の中でくすくすエモ全開な俺。 「(=゚ω゚)ノジャ!!」とりあえず挨拶をして去る俺 「じゃ、じゃねぇぇぇぇぇぇぇ!!!」「じゃ、じゃなぁぁぁぁぁぁい!!」見事にハモる二人、よし任務完了。 …………… ……… … 「さてさて、次の獲物はっと…ん?」なにやらコソコソと見るからに怪しそうな商人を発見。 人目から隠れるように木々の合間を行ったり来たり…なんなんだろう? 「ボソボソ...」小言のようなのでうまく聞き取れない…慎重に近づく事にしよう。 「くそぅ…なにが製造志望はお断りだ…ちくしょう…」 (どうやら臨公で断られたみたいだな…いや、追い出されたのか…なにはともあれなむw) (ま、俺には関係ないか…って!?)何気なくカートを見てみたら、そこに見ゆるは… 大 量 の 古 木 の 枝 (ヤバ!コイツテロる気だ!!)本気で焦る俺…何か手は無いか…  ・大声で叫ぶ…ダメだ、そんな事をしてもすぐバレて即席討伐隊が編成されるまえに全部折られてしまう…  ・自分が説得する…これもダメだ、その程度で納得するならワザワザこんな大量の枝を用意しない。 (何か方法は…そうだ!)俺は全力でプロンテラに向かいダッシュする。 途中プリさんから辻IAを貰い「ありがと〜」と言いつつもダッシュ!Σ=Σ=Σ=(ノ ゚Д゚)ノ ダダダダダダ!! 「カプラさん!はい身分証!倉庫サービス!ガードマフラーを!!」矢継ぎ早に話しかける俺、必死だな。 「えっ?は、はい…少々お待ち下さい〜」大した同様も無く手早く倉庫を調べるカプラサービスのお姉さん。 「お待たせ致しました〜、ガードマフラーになります〜」妙に間延びした声のカプラさん。 「(えっと、スロットをっと…よし!)ありがとうございます!!」言うか早いか、再び走り出す俺。 ダダダダダダ!! ヾ(゚Д゚ヽ)=3=3≡3三3 「はぁ…はぁ…どうだ…?」さっきの場所まで戻り、確認…いた。 「大体なんで製造が参加しちゃいけないんだよ…ALL+7で防御は万全だってのに…」随分とムカつくグチだなオイ… (さて…それじゃ早速…クローキング!!)心の中でそう呟くと同時に、俺の姿は完全に周囲の景色に隠れる。 足音を立てないように慎重に商人の後ろ側へと向かう…同時にあれの用意もっと… 「こんなクソどもの溜まり場なんて…ブッ壊してやる!!」ヤベ!一人で勝手にキレやがった!! (この辺りが丁度4セル…よし!)すぐさま俺は商人の後方でクローキングを解除した瞬間、トラップを配置する。 「フラッシャー!!」 「なっ!?」突然の出来事に驚く商人、しかし!まだこれだけじゃないぜ!! 「行け!ファルコン!スプリングトラップ!!スプリングトラップ!!スプリングトラップ!!スプリングトラップ!!」 ハンターの相方、ファルコンに連続での罠発動を命令する。 ファルコンは何度もフラッシャーの間を往復しつつ、確実にフラッシャーを発動させる。 「うわぁぁぁぁ!目がぁぁぁぁ!目がぁぁぁぁぁぁぁぁ!!ヽ(`Д´)ノ」何故かム○カ声で叫ぶ商人。 フラッシャーの影響で完全に視界を奪われたようだ。 (頼む!早くきてくれ!!)俺は祈りながらもファルコンへ命令を下し続ける。 オレの立てた作戦はこうだった。まずクローキングで商人の後ろへと移動し、フラッシャーを配置と同時に発動。 商人の視界を奪い、すぐ近くの臨公広場の冒険者達をこちらへと呼び出そうと言うものだった。 (これで「なんかハンタが遊んでるな〜」とか思われてたら終わりだな、こりゃ。) 「目がぁぁぁぁぁぁ!目がぁぁぁぁぁぁぁ!!あぁぁ〜あ!!(∩д∩)」完全にムス○になり切っている商人。 そして十数秒が経過したとき、それは起こった。 「スプリングトラップ!!「「「「スプリングトラップ!!」」」」(…え?)」一瞬思考を奪われそうになるがすぐにファルコンに命令を下す。 (一体なにが…?)そう思い辺りを見回すと…完全に商人を包囲するカタチでフラッシャーが配置されていた。 『なんだか知らんが、加勢するぜ!( ´,_ゝ`)b』辺りのハンター達は目でそう言っている…ように感じた。 (なんだか知らんが…助かるぜ!ヾ( ゚Д゚)ノ)俺は臨公広場の方に視線を向ける…よし!何人か集まってきた!! 『なんだなんだ?』『一体何の騒ぎだ?』『うるせぇぞ!そこのハンターども!』『あはははは♪光ってる〜面白〜い♪』 興味本位で集まる人、怒りのあまり文句を言いに来る人、ただ楽しんでいる人…様々だが集まればコッチのもんだ! それなりの人数が集まった所で、俺はファルコンへの命令を止め、スプリングトラップを停止する。 それに反応して周囲のハンター達も同様にファルコンを停止させる。 「目ぇぇぇぇぇぇ!!オレの目ぇぇぇぇぇぇぇ!!!(/д\)」もはや状況が理解出来ない様子の商人。 オレは商人に駆け寄り、カートを集まった人たちのすぐ傍に移動させる。 『なんだ?これ…枝!?』『ホントだ!でもなんでこんな大量に…』『もしかしてテロ…?』『Σ(´д`ノ)ノmjsk!?』 「うぅぅぅぅぅぅぅ………え?あれ?カートは…あぁっ!Σ(゚Д゚)それはオレの折ろうとしていt…(゚Д゚)ハッ!!」あ、自爆した。 『折ろうとって…』『じゃこいつテロリストかよ?』『あれ?アイツ昨日ウチらが断ったヤツじゃない?』『なに?それじゃ私怨?(pgr』 群集心理とは恐ろしいもので、多い方の意見には自然と賛同してしまう物なのだ…いわば数の暴力。 (さて、そんじゃ仕上げに入りますかな…。)オレはトーキーを用意し、「4つ連続で」発動させる。 「トーキーボックス!!」 【くそぅ…なにが製造志望はお断りだ…ちくしょう…】 「トーキーボックス!!」 【大体なんで製造が参加しちゃいけないんだよ…ALL+7で防御は万全だってのに…】 「トーキーボックス!!」 【こんなクソどもの溜まり場なんて…ブッ壊してやる!!】 「トーキーボックス!!」 【…以上、過去ログ再生完了…】 「なぁ…ハンターさん…今のトーキーボックスの…それ、本当か?」近くに居た騎士の一人が話しかけてくる。 「あぁ、この耳でしっかりと聞き届けたぜ、ついでにアンタも聞いただろう?そこの商人のセリフ。」 「確かに…明らかにテロ行為を行う発言だった…」 「ま、そういうこった。」 ………沈黙。 皆、事の真偽を計りかねているようだ。 (しゃーない、ほんじゃ商人さんには悪いけど…っと。) 「なぁアンタ。」俺はテロ容疑者に話しかける。 「な、なんだよ!」もう半分諦め入っているのか、ヤケクソ気味な商人。 「こんだけ枝大量にあるんだし、多少安売りしても問題無いよなぁ?」まるでローグのコンパルションディスカウントよろしく 睨みを利かせて言う。 動揺に俺の意思を汲み取ったのか、辺りの冒険者も無言の圧力を加える。 「う…それは…その…えっと…」おーおー、ビビってるビビってるw 俺はトドメとばかりにトーキーを発動させる。 「トーキーボックス!!」 【ヽ(`Д´)ノおぅよ!古木の枝1本10kzだ!持ってけ泥棒コンチクショウ!!ヽ(`Д´)ノ】 『おぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!』「えっ?えっ!?えぇぇ!?」相場を無視した金額に目が$に変わる冒険者達と、状況が理解できていない商人。 「じゃ、そういう事で。後は任せたよ〜。」 「えっ?ちょ…まっ…うわっ!」 『商人さん!俺10本買うよ!!』『こっちは30本!!』『こんなチャンス滅多に無ぇな!100本買うぜ!!』 ……群集心理とh(ry 「ふぅ、コレでひとまずOKかな?」…商人を除いて。 なんとなく見上げた空には、オレンジ色の沈みかけた夕日、ハンター達のファルコン、あたりを飛び交うゴーストリング…ってオイ!! 『お、ゴスリンキター!!』『キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!!!』 「やっぱりこうなんのかよ!!」 『あ、アクエン…』はぁ…一休み出来るのはもう少し後みたいだね…orz 「しゃーない、首突っ込んじまった以上、最後まで面倒見ますかぁっ!!」 叫んで自分に気合を入れて、俺は戦場へと駆け出すのであった。 『ネタ罠ハンター、ここにあり』 -完- □あとがきというか、いいわけというか…   まずはじめに、このような駄文を最後まで読んで下さり、誠にありがとうございますm(_ _)m  実はコレ…たまたま見かけた「目覚めROスレ」に触発されて…たったの「2時間で」打ちあげたモノだったりします^^;  …全国のSS書きさんゴメンナサイ_| ̄|○…   まぁなんというか、実はこれ、ほとんど自分のRO上でのプレイスタイルが元になってたりしますw  狩りにも行かず、溜まり場や臨公広場、フェイのド真ん中でお馬鹿なトーキー連発してたりします。  酷い時には騎士団のド真ん中とか…レイドリックに「流石だよな俺ら( ´_ゝ`)」等等…  そうやって集まったノリのいい人たちと一緒にダンジョン突貫ツアーを企画してみたり…効率重視の方、ゴメンナサイw  まぁ、そういった遊びが実際に出来たらいいなぁ、という思いでこのSSを書きました。   ちなみに途中、「フラッシャーの嵐の中でなんで臨公広場が見えたんだ?」というツッコミが多分来ると思うので…  『鷲の目スキルのおかげです!ヾ( ゚Д゚)ノ』などとほざいてみたり(ぁ  あと、作中(あとがきもだけど)カナリのAAというか顔文字がありますが…  文 章 力 不 足 & 趣 味 で す  では〜♪