ある日、目覚めると・・・・ROの世界だった。 昨日から徹夜でROをやっていた瞬は、これは夢かと疑った。 しかし、ピンク色のゼリーが彼の頭の上に乗りそこがひんやりとする感じは あまりにもリアルだった。 爽やかな風の吹く木陰に彼は座っていた。 落ち着いて周りを眺めてみると、木の反対側には首が痛くなるほどの城壁がそびえていた。 「これってもしかしてプロ?」 自分に質問を問いかけた彼は、ゲームで見たときなど比べものにならないほどの城壁から 横に目をずらしていった。 門を探していたのだ。 遠くに門を見つけた。 「・・・歩くか・・・」 とぼとぼと歩く彼のことを今の内に説明しよう。  紺野 瞬  18歳  高校3年生  趣味 ゲーム  言わなくてもわかると思うが、いまROに夢中である。 彼は門の前にたどり着いた。 門の前には、二人の門番と数人の商人たちがいた。 しかし一番に目を引くものは、城下町を守っている城壁だった。 「まさに、城壁って感じだな」 そう言って彼はプロンテラヘ入って行った。 門を抜けるとそこには活気があふれていた。 絶えず商人たちの声が聞こえる。 ゲームでは目にする事がなかった城下町の住人たちが 商人たちと交渉している様はまさに経済の中心を思わせた。 「すげぇ・・・」 その言葉でしか言い表せないほどプロンテラは活気に満ちていた。 「とりあえずメシでも食べないと・・・」 彼は長身で痩せていたがかなりの大食漢であった。 「金持ってるんだっけ?」 彼はゴソゴソとポケットの中を探した。 しかし、残念ながら持っていたものは、 今着ている衣服とナイフだけだった。 彼は自分で新しく作ったキャラクターの姿をしていたのだ。 「そう言えば訓練所で訓練受けるって決めるときに気絶したんだっけ? でももしプロンテラに行ったとしても教会の裏の墓場につくはずじゃぁ・・・」 彼はいろいろと考えを巡らしていたが空腹によって 思考を中止せざる得なかった。 「金ないしどうしよう・・・・」 彼は途方に暮れて行く当てもなく歩き出した。 ふいに後ろから声がした。 「あの〜すみませ〜ん」 ゆっくりとしたペースの声に彼は驚いた。 初めてこの世界で声をかけられたからだ。 「は、はいなんですか?」 少し声が裏返っていた。 「あの〜これ落としましたよ〜」 彼女は小さな鍵を手に持っていた。 「えっと・・・これって・・・?」 彼には身に覚えがなかった。 「やだな〜カプラ倉庫の鍵じゃぁないですか〜」 彼女の説明によるとその鍵はカプラ倉庫の鍵らしい。 さっきポケットを探ったときに落としたのだろうか。 「なるほど・・・どうもありがとうございます」 「今度からはなくさないようにね〜じゃ〜ばいば〜い」 「ありがとうございました」 彼はもう一度お礼を言った。 「カプラ倉庫か・・・肉とか入ってたっけ?」 彼はカプラ倉庫を探した。 彼はとうとうカプラを見つけた。 しかし、倉庫には大きな壁があった。 「カプラ倉庫を開くにはjobレベル3と50zが必要です」 彼の空腹は限界に達していた。 「もうだめだ・・・」 彼は路地裏で隠れるように空腹を忘れようと眠った。 彼が目を覚ますとそこは自分の部屋だった。 「夢だったのか・・・?」 その問いに答えてくれる人は誰もいなかった。 携帯の日付を見ると朝になっていた。 昨日の晩ご飯前から朝までラグナロクの世界に行っていたのだろうか。 「瞬、ご飯よー」 下の階から声がした。 彼は自分が空腹だったということを思い出した。 彼は急いで朝食をすませると自分の部屋に戻りROを起動させた。 するとそこには昨日の体験のときのキャラクターはいなかった。 「やっぱり夢だったのかな・・・」 彼はしばらく考え込んでいた 「まぁいっか」 と言ってROにログインした。            〜終わり〜 あとがき? 難しかったです。 初めて文章書いたのでいろいろほじくると矛盾点があったり 頭の中の想像だけで書いてたのでこんな形で終わることなど いろいろ無理がありました。 次からはもっと精進していきたいと思います。