__ 表紙 呂日記 4冊目 俺用 __ 2ページ 当日記のルール 1) ×廃止× 2) 最低1行。 3) 最大1ページ。 4) フォーマットは特になし。 5) どんなクソ日記でも後日書き直しはゲン禁   追記はOK。 以上。 〜〜のの あいうえこかきこてすと __ 3ページ 10月10日 ノート購入。 今日から日記を再開。 いい感じのノートが手に入ってよかった。 なるほど、ペンがいい具合に走って、面白いくらい楽に字が書ける。 いままではインクがページ裏に染みたりとかいう事もあったし。 こっちの紙は厚いんだよね。(正確には紙じゃないかもしれない) それに手触りも固い。 紙自体に、昔古本屋で買った時代モノの本みたいな古めかしさを感じる。 逆に、俺が持ってきたペンだと上手く書けないのだ。 やっぱり、文房具も同じ世界の道具どうしを組み合わせたほうがいいらしい。 …て、ながながと書いちまったが、んなことはどーでもいいな。 インクの無駄だ。 近況: とりあえず、昨日プロまで戻ってきた。 明日にでも伊豆へ行く予定。 __ 4ページ 10月12日 イズルード着。 ゲームだとせいぜい歩いて5分だけど、ここだと半日くらいかかるのね。 まぁ、フェイヨンにプロ、それにゲフェンも行ったから 割と世界の広さは認識してるはずだけど。 剣士ギルドに行って、まずは登録終わり。 明日から試験に入るのでしばらく日記は付けられなくなる。 __ 5ページ 10月28日 しけん終わり。 剣士になれた。 今日は寝る。 つかれた。 __ 6ページ 10月30日 昨日は一日寝込んでた。 良くないなぁ、剣士たるものとして。 うむ、剣士たるものとして。 剣士たるものとして。 なんかいいな、剣士。 俺「剣士たるもの」でござるよ。 しかし、試験に二週間近くかかるとは思わなかった。 タイマツもなしに洞窟に踏み込むのは危険だと認識を改めた…。 しかしまぁ、他のノービスはいいな、まさかWISが光るとは思わなかった。 アレなら照明を持つために手がふさがることもなかろうし。 思った以上の便利アイテムだな、WIS。 正直、同じノービスの女の子のおしりを追いかけてゴールってのは オトコとしてはかなり情けなかった。 幸いだったのは、おしりの子がやさしくてかわいい子だった事か。 惜しむらくは、名前を聞きそびれたことか、ムネン。 …って、これじゃまるでヘンタイさんじゃないか。 ちなみに、ノービスの時とは違い、剣士になったときには 剣士の職を表す、というマフラーが支給された。 俺に似合うかどーかはわからんが、こういうのってけっこう嬉しい。 __ 7ページ 11月1日 ポリンを相手に実戦訓練。 剣士になったからには伊豆でちゃんとした 戦技講習がいつでも受けられるんだが、 講習には若干だけどお金がかかるし、ここのところちゃんと 働いてなかったために路銀が心許なくなってきたから、しばらくは ポリン相手に腕をみがくことになるだろう。 ぶっちゃけ、ゲームみたいにノビから剣士になってから 格段に強くなったような印象はない。 当然と言えば当然なのかも知れないが。 __ 8ページ 11月5日 戦技講習受けてきた。 …シャレにならない厳しさ。 現役騎士とタイマンでやり合わされて、ひどい目にあった。 俺の攻撃は全く当たらないし、逆に向こうの攻撃はものすごく鋭くて痛い。 こっちはちゃんとした剣で、向こうは木刀だって言うのにまるで勝負にならない。 …つーか、刃は潰れてるとはいえ鉄剣を木刀で弾くってどんな魔法なんだよ。 世界は広すぎる。 でもまぁ、払ったお金分の価値はあった。 本気でやりあう事が出来たし、俺の悪いクセみたいなのも 少しづつだけど分かってきたし。 なにより、俺のレベルで騎士にサシで手合わせしてもらえるなんて 俺はいろいろな意味で幸運だったのだ。 …まぁ、幸運の代償は大きいわけだが。 今も日記を書く手が痛い。 __ 9ページ 11月9日 ルナティックはけっこう美味い事が判明。 いや、経験値ではなく。(っていうかあるのか?経験値) 戦技講習を受けるためのお金を貯めてるんだが、 宿代は使ってないにしても食費は毎日かかるわけで。 このままでは効率的ではない、ということで、一時的に ビンボーになるの覚悟でプロンテラの冒険者酒場で料理本を買った。 酒場に本ってのもミスマッチだと思っていたけど、 行ってみると結構面白そうな本がたくさんあったのだ。 そこで首尾よく料理本(古本だけど)を購入し、そして冒頭の通り。 前に食った時はどーしようもなくマズイと思ってたんだけど、 本で確認したところ、どうも調理法が間違っていたようだ。 さすが俺!料理が下手なのはどこの世界でも共通だな。 とりあえず冒険者酒場のことを教えてくれた同輩に感謝。 この本は大切にしていこう。 __ 10ページ 11月12日 戦技講習2回目。 今日はぬるかった。 この前の騎士さんはもうすでに旅立ってしまったとの事で 今日は剣技と槍技、そして素手での格闘戦についてのレクチャー。 まぁ、確かに基本は大事だよね。 でもタイクツ。 __ 11ページ 11月13日 一度フェイヨンに帰ろうと思う。 6月に出てからもうすぐ半年近くなるし、 一応、冒険者になったことを報告しておきたい人もいる。 今度キャラバンがプロンテラからアルベルタに向かうらしいので、 その時に護衛を兼ねて一緒に行かせてもらうことにする。 最終目的地はアルベルタだからフェイヨンは通り越してしまうけど、 数日は滞在出来るハズ。 本当は一度カプラサービスを使ってみたいんだけど、お金ない。 __ 12ページ 11月15日 なんだかんだで、俺がROの世界に来てからもう半年経つ。 今までの日記を読み返してみると、 本当にいろいろなことがあったと、改めてそう思う。 フェイヨンに戻ったら、久しぶりに宿に泊まろう。 おかみさんのスープを飲もう。 __ 13ページ 11月20日 明日はキャラバン隊出発の日。 考えてみると、収集品の売買でなく、冒険者のお仕事として 雇われてお金をもらうような仕事をするのはこれが初めてになる。 頑張っていこう。 ここに来た時と違って、もう俺は守られる側の人間じゃない。 守る側だ。 今日は同じくキャラバン隊の護衛をするアーチャーさんと ポジションとか夜営の見回りのローテーションについての打合せ。 アーちゃーさんは目つきが悪いけど、仕事はきっちりやるタイプだと思った。 そうか、二人だけだけど、PT戦も初めてなんだよな。 もし戦う機会があるのなら。 __ 14ページ 11月24日 今日は夜番終わったので日記カキコ。 今ごろ外じゃアーチャーさんがしっかり見張ってくれているだろう。 プロ意識ってわけじゃないけど、前と違って もう夜警中に日記を書く気にはなれない。 …とかかっこいいことを書こうと思っていたんだけど。 実際のところなんで日記書く気になれなかったのか、 ペンを持ってみるとわかった。 怖いんだ、俺。 だって、俺がぼーっとしてる間に敵が来たら、 俺のせいで人が死んだり傷ついたりするんだもの。 そりゃ、俺だって責任感強い人間じゃないけど、それでも気にするよなぁ。 仕事だもん。 __ 15ページ 11月27日 無事フェイヨン着。 久しぶりの故郷だ。 空気がおいしい。 別に、こっちの世界じゃプロでさえ空気が汚れているって わけでもないのに。 木が多いのが関係あるのだろうか? とりあえず、日中は少しだけど余暇があるのであちこち回ってみた。 半年振りのフェイヨンは、あまり変わってないようで、 それでいて細かい部分でいろいろ変わってたりもする。 特にガキとか。 ホント子供ってすぐ大きくなるよなぁ。 でも、俺のことを覚えてくれている人が予想外に多かったのは 嬉しい驚きだった。 今日は時間取れなかったから、おかみさんには明日会いに行こう。 それはそうと、夜のチュンリム湖は寒いデス…。 __ 16ページ 11月29日 来たと思ったら、明日にはもう出発。 早いなぁと思うけど仕方ない。 明日からは忙しくなるんで今日は早く寝ます。 とりあえず、一言だけ。 シチューはやっぱりおいしかった。 __ 17ページ 12月3日 負傷者。 油断していたわけではないけど。 ついに出してしまった。 やってしまった。 悔しい。 二人で奇襲してきた5匹のMOBを撃退できたのはある意味快挙だけど 仕事としては三流の出来だ。 クライアントが被害こうむったんだから。 幸い、怪我はたいしたことなかったし 処置も早く出来たから後遺症が残ることもないだろう。 それに、お客さんのほうから「あの状況じゃ仕方なかったよ」って 労ってくれたし。 でも、悔しい。 奇襲だったからしょうがないとか、死者が出なくて良かったとか そういったもの全てひとまずうっちゃって、ただただ悔しい。 マジで悔しい。 __ 18ページ 12月6日 アルベルタ着。 ちょっと悔しい思いもしたけど、ひとまずお仕事終了。 2週間拘束のお仕事だけあって報酬も結構いい。 …それよりなにより。 初めて冒険者のお仕事してお金もらえたことがうれしい。 これで俺も一人前の冒険者…と名乗るにはまだ早いか。 失敗もあったし。 つーか、スキル使えないし、欠陥だらけの冒険者だわな、俺。 でも、こんな俺でもなんとかやれるって自信がついたのは 良かったと思う。 次はもっとうまくやろう。 __ 19ページ 12月8日 アルベルタは暑い。 それと磯臭い。 都会暮らしの俺には少し辛いかも。 でも、街全体が開放的な雰囲気に満ちていて良い。 昨日今日とこの街を歩いていて感じたのは、 この街はおいしそうな物が多いということ。 しばらくはここに滞在するのもいいかもしれないと思った。 しばらくは遠出はせず、このあたりの地形を見極める必要があるな。 こちらの世界では、そもそもゲームのMAPみたいな区切りはないし 出てくるMOBも必ずしも場所ごとに固定ではないようだし。 まぁ、それが世界だっつったら、そーいうものかと思うしかないんだが。 リアルの世界じゃないはずなんだけど、それでもこの世界は限りなくリアルだ。 …って、なんかヘンだな。 上手く言い表せない。 __ 20ページ 12月9日 カゼひいた。 仕事あがって気が抜けたのかな。 なさけねー。 __ 21ページ 12月11日 アルベルタの市行ってきた。 俺が護衛してた人たちが露天立ててた。 まぁ、あの人たちはここで市立てるためにわざわざ プロからやってきた人たちなんだし、当然といえば当然なんだけど。 こうやって、自分の仕事が成果として出てくれるのって、うれしい。 商売ハンジョウするといいな。 体調もだいぶ良くなったから、明日からはちと町の外を 散策してみようと思う。 __ 22ページ 12月12日 現地の冒険者から周辺の地図情報を聞き出し、一路外へ。 こうして見ると、ホントうっとうしいくらいに木が多い。 昔の日本も木のたくさん生えていた国だったらしいけど、 こんな感じだったのかな? 料理本は、イイ。 2日分見越して食料持ってきたんだけど、これなら帰るまでに余りそう。 現地調達が出来るのって強いなー。 __ 23ページ 12月14日 今日は迷子さんに出会った。 いや、迷子さんというには大きいから迷い人さん、か? 迷い人さんはマジシャンの女性。 歳は聞いてないけど、俺より年上なのは間違いない。 30台から40台前半くらいだろーか。 なんか、歳の割には「ぽややん」とした感じの人だ。 ぽややんとはなんぞや、と俺も思うが、そうとしか表現できないのだから仕方ない。 ぽややん、はぽややん、だ。 それはそうと、この人、Wisをなくしたらしい。 そんなことあるんですか?と聞いてみたんだけど、あるっぽい。 まぁ、Wisもこっちの世界じゃれっきとした「モノ」だから なくす事があってもおかしくないのかもしれない。 とりあえず、Wisはアルベルタで再発行が出来るそうなので アルベルタまで送ることになった。 彼女のレベル的には俺がいなくてもアルベルタくらい行けそうだけど 地図とかもWisを使っていたから、Wisなしには道がわからないらしい。 そういう意味では、地図自体を持ち歩く俺は勝ち組なのかもしれない。 地図自体を落としたらどーなるとか、そういうことは考えないようにしよう…。 __ 24ページ 12月15日 「案内のお礼」との事で、魔法を見せてもらった。 今日は、初めて間近でじっくりと見た、その魔法についての感想を書く。 はじめて見たその魔法は、フロストダイバーで、対象は木。 しかも手加減してたらしくて。 だけど、なんかすごかった。ホントすごかった。 どれくらい迫力が残るのかわからないけど、 とりあえず、擬音だけで表現すると ぶいーん、がが、ききン、しゅー、どちゃどちゃどちゃ!がぎぎぎぎ! って感じ。 なんかもごもごと詠唱するんだけど、まずその言葉がわからない。 特に足元に魔方陣とかが浮かぶこともなく、手をやたら細かく動かしながら もごもご詠唱して、そして突然なんか叫びだす。 少なくともゲームみたいに「フロストダイバー!」と言ってない事は確実。 すると、いきなりWizさんの足元からドドドドドって勢いで氷の塊が伸びていって あっという間に木にぶつかったと思ったら、もうすでに氷の塊になってた。 なんか、事のてん末は早すぎて逆に良くわからなかったけど、 とにかく攻撃魔法はおっかないことはわかった。 あんな温和そうな女の人が、こんな力を振るうとは。 ふぁんたじぃ世界あなおそろしや。 ついでに記録。 Wizさんは無事アルベルタへ案内終了しました。 __ 25ページ 12月17日 ついに携帯の電源が限界に来ている。 正直、日記書くごとに日付見るだけだったとはいえ、 9月から3ヶ月も良く持ってくれた、というしかない。 充電は、とりあえず俺の知っている限り方法はない。 つまり、このバッテリーがあがったら、もうそれ以後 日本での日時(地球時間?)を知ることは不可能になる。 どこかで充電が出来ればいいんだが、期待はできないだろう。 こっちの世界に着てから半年近く経った。 最初から持っていた「俺の世界のモノ」が またひとつ使い物にならなくなる。 辛くはないけれど、さびしい。 帰るための手がかりは、正直あまりない。 3冊目の、9月11日の日記でも少し考えてみたんだが、 向こうで俺を知っていた人間をしらみつぶしに当たっていくか、 それとも俺以外にもこの世界に迷い込んだ人間がいるか探ってみるとか。 ずっとなぁなぁでいたけれど、ちょっと真剣に考え直してみる事にする。 __ 26ページ 12月18日 今日一日は、狩にも行かずこれからの事を宿の自室で考えてみた。 正直言って、俺はこの世界での生活に慣れ始めてきている。 こっちでの文字の読み書きも出来るようになったし、 生活をするのに必要な日銭を稼ぐだけならば、いろいろと 方法があることもわかってきた。 もちろん、帰りたくないというわけではなくて、帰れるのなら帰りたい。 だけれど、今こうして生活が出来ているのならば しばらくはこの状況に甘んじているのも悪くないのではないかとも思う。 昨日書いたような方法で手がかりを探るにも先立つものが必要だし、 世界のあちこちをめぐる旅にもなるだろうから、さしあたっては 自分の経験だとか、お金だとかを貯めたほうがいいと思う。 急いで動こうとしたところで、息切れしてしまってはおしまいだし。 もう、なんだかんだで半年近く経ってしまっている。 いまさら帰りをあせってもしかたがない。 だから、今はガマンする。 ガマンしてガマンしてそして行動して行動しつづけて、いつか必ず帰る。 今は、こうやって決意を固めるだけで十分だと思う。 それと、これも考えたんだが、RO日記はこの冊子で終わりにする。 今の俺にとっては、今の生活こそがリアルだから 日記は続けていくけど「RO日記」としてはもう書かない。 ずっと、そう決断することをこわがっていたけれど、もう決めた。 __ 27ページ たぶん12月19日 明日から、Wizさんとの遭遇で中断していたアルベルタ外の探索を再開しようと思う。 今日は一日準備に費やす。 アルベルタに来た初日の日記でメシがうまそうだと書いておきながら じつはちゃんと食べに行ったことがなかったので、食べに行ってきた。 魚料理がメインかと思ったんだが、メシ屋に行ってみると 肉から野菜まで、かなりレパートリーが多いことに驚く。 例えばフェイヨンでは、どうしても農作による作物とか木の実がメインだとか、 ゲフェンでは加工食品だとか、そういった傾向があるんだけど アルベルタはなんだか、ごっちゃごちゃって感じがする。 海外とか行ったことないからよくわからないけど、無国籍料理って感じかも? PS. 携帯がついにお亡くなりになった。 __ 28ページ おそらく12月20日 今日からまたしばらくは町の外で寝泊り。 「ホンキでやる気があるなら、4日以上屋根のあるところで寝ようとするんじゃねェ」 とは、前に戦技講習で俺をたたきのめしてくれた騎士のおコトバ。 確かに、外にいると神経がとぎすまされるのを感じる。 土は体から熱を奪うからそのまま横になっちゃダメだとか、 雲行きや体感から明日は雨になりそうだとか、死にたくないなら多少怖くても ちゃんと寝なきゃダメだとか、冒険者として必要な知識もたまっていく。 今のところ、それに従うのが強くなる一番の近道みたいだ。 しかしまぁ、星がきれいだ。 晴れている日なんかは、こうやって日記を書くのにも火の明かりがいらないくらいだ。 …まぁ、実際に火を消したら暗くて読めなくなっちゃうんだろうケド。 星座とかがわかれば、今どこに地球があるのかとかもわかるんだろうか。 だけど、星座はあくまで地球から見たときだけ星座として見えるらしいから、無理かな。 __ 29ページ 多分12月22日あたり 日付、次の日記からはこっちの暦を使おうと思うんだけど この日記ではこれでいいかな。 実は、モロクに行ってみたいということを前々から考えていた。 フェイヨン、プロ、ゲフェン、アルベルタと、気候の穏やかなところばかりを 旅してきたけれど、砂漠とかも行ってみたい。 …とはいえ、今の俺の装備とかじゃ無理っぽい。 ソグラト砂漠は、それこそ容赦なく砂漠に慣れない人たちを あっさりとあの世に連れ去ってしまうらしい。 まぁ、サハラ砂漠とかだって素人には手に余るらしいし、 そういうものなんだろうな、と思う。 だから、モロクはあくまでも現時点では、将来的な大目標って感じ。 いつか砂漠用の装備(水筒だとか日よけだとかその他もろもろ)が 手に入って、ちゃんとした用意が出来たのなら行きたいなってくらいの。 ゲームだったらモロクいくのなんか簡単なんだけど、 なかなか思うに任せないところが、面白くもあり辛くもあり。 …で、なんでこんな日記を書いているのか、というと。 はるか川と崖を隔てた向こうに、広大なソグラト砂漠がみえるからであります! これはすごいね、なんといえばいいのか…。 俺の日本語のボキャブラリーのなさが情けない。 __ 30ページ クリスマスあたり。 ペコペコに遭遇。 ぺこぺこ、pekopekoっす。多分。 ちなみにこっちでは●●●●●●と書く。 日本語のアクセントから考えると妙な表記だが、これが正しいのだ。 コトバって不思議。 間近で見るペコペコは、とにかく丈夫そうで強そう。 なるほどこれなら騎士の馬代わりとして使われるのもナットクだ、と思った。 性格は意外と温厚で、なでるくらいならぜんぜん問題ない。 くちばしは鋭くはないが堅く、これで突かれたらとても苦しんで死ねるだろう。 そんなペコペコの卵だが、意外にもあまり食べ物としてうまくはなかった。 栄養価は高い、とは料理本の言葉だが、味がない上にどこか「つーん」とする 酸味っぽいにおいが漂うという奇妙極まりない感覚は、正直二度と堪能したくない。 ところで…さて、ここは何処だろう? ゲームだと、ペコマップはアルベルタから結構遠くになるはずなんだが まさかフェイヨン超えてプロ近くまでこれたわけじゃあるまいとは思う。 とりあえずは一度アルベルタに帰ろう…。 __ 31ページ 30ページの2日後。クリスマス越え、まだ新年あけてない。 見慣れたアルベルタの森林地帯に帰ってきた。 途中厄介なMOBに襲われることもなく、無事にここまで来れた。 ゲームじゃないから当然と言えば当然なのかもしれないが、 ロクにMOBとやりあっていない今回の旅ででも、またひとつ俺は強くなったように思う。 ペコの卵も食ったしソグラト砂漠も見にいった。 短い足なのかも知れんが、まぁそれなりに順調に一歩づつ歩いてきたわけで なんかそれなりに感慨深い。 たまに、冒険者やってるのも正直かなり危険かな、とも思ったりする。 Wisのない俺は、何が起こっても助けも呼べない逃げることも出来ないと 何も救いがない状態なわけで、一回ミスしたらハイおしまいだし かなりハイリスク、という事をそれこそ何度も何度も言われた。 もともとはただの会社員だった俺が、このシビアな世界で冒険者として やっていけるのか不安、というのも本音としてはある。 だけど、こういう生きかたに憧れていたのも確かなわけで。 それにこの生きかたは日本じゃ絶対にできない。 日本に帰る方法を探すためにも、最低限旅をするちからはあって損はないと思うし。 だから、ゆっくりと無理せずにやっていこう、俺。 __ 32ページ お正月?inアルベルタ。 当日の日記書いてたときには思いつかなかったが こっちの世界じゃクリスマスとか正月とか特に祝わないようだ。 そういう風習自体がないのか、それともこっちの世界の暦では 別の日にクリスマスがあったりするのか、そのあたりまでは定かじゃないけど。 唐突だけど、レベルアップってどういう概念なんだろう。 俺自身はさほど「強くなったー!」っていう印象はないんだけど 実は結構強くなってたりするんだろうか? 試してみたいとも思うが、リスクが高そうだなぁ。 死んだらそれまで、かも知れないんだし、危ない橋は渡らないほうがいいよな、多分。 __ 33ページ 3が日あたり。 そろそろまた仕事をみつけないとお財布がやばい。 プロンテラなら収集品を売って生活が出来ていたけれど アルベルタには収集品の買取をしてくれる人があまりいない。 あと一週間くらいまでに何か仕事をみつけないと。 さもなければ野宿。 …野宿かぁ。 また雇ってくれないかな、とこの前のキャラバンに行ってみたが もうすでにみんな引き払ってしまっていた。 失敗した。どうせなら一緒に戻っていればよかった。 しかしまぁ後悔していても仕方がない。 しばらくはここで野外での活動能力あげるなり適当にお仕事するなりして、 また来月キャラバンが来たときについていって帰ればいいだろう。 別に急ぐあてがあるわけでもないし、ゆっくりやろう。 って、ゆっくりゆっくりとばかり言ってるのも進歩がないし、多少は焦ろう俺。 とにかくがんばだ。 …ページが埋まったので、この冊子での日記の記入を終了する。 さよならRO日記。