再誕 - Ragnarok Online - --- (3) --- ROR(Ragnarok Online for Real)の世界は僕が思っていた以上に素晴らしい世界だった。 参加プレイヤーは、まず初心者修練所にてGPS内臓付きのドックタグと専用の衣服、 それに数日分の食料や携帯用の簡易テント・寝袋が配布され、その使用法を学ぶ。 テントや寝袋については、当時アウトドアが趣味だった僕にとっては特に印象に残る物では無かったが。 ドックタグと衣服については、凄いとしか言い様の無い物だった。 まずはドックタグ。 このドックタグは普通の物よりもふた周り程大きく、両面にタッチパネル式のモニターが付いている。 表側にプレイヤーネームや各種ステータスや状態が表示されており、 裏側には装備や所有アイテム、スキルツリーなどが表示されていて、モニターに触れる事で装備の変更やアイテムの使用が可能となるらしい。 次ぎに衣服。 この衣服には微弱な電気信号を通す特殊な繊維が使用されており、 プレイヤーが立体映像に触れた際にその衣服を通して様々な信号をプレイヤーに伝えるらしい。 それによりプレイヤーは立体映像に触れた時でも、実際にそこに物があるような感覚を得られるそうだ。 これについては流石に半信半疑だった僕だが、初心者修練所で実際に立体映像のポリンと戦った時に、 叩いた時に手に返ってくる反動や、攻撃を腹に受けた時の衝撃があまりにも生々しくて驚いた。 この衣服事態は緩めの全身タイツみたいなもので、最初身につけた時は兎に角恥ずかしかったのだが。 すぐに服の上から装備の立体映像が現れたので今ではそんなに気にはならない。 ちなみに今の僕の装備は、胴体を覆う簡易的な鎧のみといった・・・俗に言うノービスファッションになっている。 その他にも初心者修練所では様々な事を教えてくれた。 それこそMMORPG時の修練所で教えてくれたような事から、 果ては冒険者の為の野宿のやり方まで。 以前のRO経験者だと言う事を事前に申告していた僕は必要最低限度の講習を受けただけだったが。 修練所を出るときチラリと見た教室で「初めてのラグナロクオンライン」を教本代わりに真剣に講習を受ける成人男女は ・・・別の意味で印象に残った。 そして修練所を出た僕の目の前に広がる広大な世界。 ルーンミッドガッツ王国の首都プロンテラ。 僕は、ふと一番最初にROをやった時と同じような高揚を感じていた。