再誕 - Ragnarok Online - --- (4) --- 「ではバッシュさんはやっぱり剣士になられるのですね。」 「ええ、AGI型の両手剣士になろうと思ってます。まぁ、ソロでやるなら妥当かなあと。」 ここ数日利用する内にすっかりテーリングさんと打ち解けた僕は、 戦いが終わって体力が回復する間、彼女とちょっとした世間話をする様になっていた。 「最初にお名前を拝見した時に、剣士スキルの名前と一緒だったので剣士になられるのかなぁと思ってたんですよ。」 テーリングさんは何時も明るい笑顔を絶やさない。 以前のROで「カプラ萌え!!」とか叫んでいた仲間がいて、それを聞く度にちょっと馬鹿にしてた僕だったが・・・ ・・・今なら何となくその気持ちが分かるかもしれない。 「まぁ、この名前はROを知る前から色んなゲームで使ってたんで、初めてROをやったときは僕も驚きましたよ。」 「あら、そうだったんですか? 偶然ってあるものなんですね、でもRORではAGI型の方って多いし、人気なんですよ。」 「え、そうなんですか?」 以前のROにおけるAGI型と言えば、あまり優遇されるようなタイプでは無かった。 低Lv時の冒険では回避力の高さで活躍出来ていたAGI型だったが。 Lvが上がるにつれてモンスターの攻撃に耐えれる体力を持つVIT型が優遇されるようになり、 Lv90台になる頃には冒険に参加しようとしても断られてしまう有様だった。 特に僕が使っていたAGI型の両手剣騎士は「金ゴキ(光だけのゴキブリLv)」と言う呼ばれ方をする程だったのに・・・。 「ええ、やはり擬似的な物であったとしても攻撃を受け続けるのは嫌だという人が多いですし・・・ 一緒に冒険する仲間にしてもずっと攻撃を仲間が受け続ける様を見たくない人が多いみたいですね。」 なるほど・・・、確かに耐えてナンボのVIT型は自分がやるのも見てるのもちょっと嫌かもしれない。 ・・・っと、体力が回復したようだ、勢い良く立ち上がる。 「よし!ではまた行ってきます!!」 「頑張って下さいね。」 笑顔のテーリングさんに見送られ、僕はまた城門を潜り街の外へ。 剣士になると言う目標は出来た、転職まで後ポリンを倒す事250匹!! ・・・チキンな僕の冒険は果てしなく長いかも知れない。