〜彼女(?)達の動向〜 <<登場人物紹介>> ・195・・・ローウィン。♀アサクロ。 ・225/236・・・ラグナ。本スレでは指示を仰いだり掘り下げSSでおなじみの人。当時♂ノビ。 ・リエッタ・・・♀ローグ。 ・(○□○*)さん・・・住人レス。 <<備考>> ローウィンが騎士団を追い出されてからリエッタと合流するまで。 ラグナの人の扱いに困ったけど一応描写があるようなので名前付きで。 ***************************************** ■195(ローウィン)SIDE・・・  のんびり騎士団で体を休めていたら、追い出された。  さすがに暗殺者が騎士団に長居するのはあまり良くないらしい。  胸元が露出しまくりで恥ずかしいので、露店でぼろマントを買って上半身を隠すことにした。  本当は全身をくまなく隠したいのだが・・・止むを得まい。  露店巡りをしている最中にフェイヨンの名前が聞こえてきた。  フェイヨンといえばアーチャーや、フェイヨンダンジョン。  森が紫外線を適度にさえぎることで色白美人が多いと聞く。  また、ムナックや月夜花といった可愛らしい(ゲーム内ではだが)モンスターもいる。  俄然やる気が湧いてきた。見に行ってくる。  徒歩で。 ***************************************** ■225(ラグナ)  回復おめでとう。フェイヨンは静養に良さそうな所だったよ。  街以外の地図は当てにならないからそのつもりで。俺のように迷いまくるぜ。 ***************************************** ■(○口○*)さん  徒歩でってちゃんと下準備は済んでますか。  フェイヨンまでは途中砂漠がありますが、  ボロマントのみで渡るには熱中病と日射病に要注意ですよ〜 ***************************************** ■195(ローウィン)SIDE…  みんな、アドバイスありがとう。  助言に従い、露店で被り物を探していたら・・・いいものがあった。  ウェスタングレイスだ。  昔は結構高かったように記憶していたんだが・・・安いから買っちまったぜ。  あとはぶどうジュースとりんごジュースを多めにと、念の為に蝶の羽を持った。  蝿の羽は怖いから使わない…。生理的にも嫌だしな。  ところでこれからプロンテラより南下するのだが、もしかすると>>225とすれ違うかもしれない。  よければ容姿を教えてくれないだろうか?  もし合流出来たなら、ゲフェンまで同行したいと思う。  こっちは緑のハネ毛にウェスタングレイス、眼帯、アサシンマスク(csf:5b0a40m030b1l2)だ。  アサシンマスクは元々持っていた。  …別にゲーム中もこんな格好だってわけじゃないからな。 ***************************************** ■236(ラグナ)  砂漠で迷っているとき、人影を見たんだ。  カーテンに包まれた水色のポリンみたいなものを一瞬で葬るウェスタングレイスのアサクロだった。  おそらく195だったんだろうな。格好良すぎて近づけなかったぜ。 ***************************************** ■195(ローウィン)SIDE…  途中、ポリン島に寄って一息入れていたらゴーストリング(らしきモンスター)に遭遇した。  破れかぶれでエンチャントデッドリーポイズンを使い、ソニックブローをかましてみたら、なんとか倒せた。  手負いだったようだ。  スキルの使い方なんぞ知らなかったが、人間なんとかなるもんだな。  おそらく236が見たのはその辺りか。  ところで、まだ砂漠にいたりする。  というのも、とりあえず同じ境遇らしい231(リエッタ)をみにいきたくな・・・じゃなく、  合流して話をしてみたくなったからだ。  何かしら対策も立てられるかもしれんし。  ポリン島より西の方向へ歩き、森に沿って南西へ辿り、モロクへ着く予定だ。 ***************************************** ■リエッタSIDE・・・  野郎は女と分かりゃ乳ばかり見やがるから嫌気が差してる所だ。  それからモロクはやめとこう。変な誘惑が多すぎるからプロで落ち合おうぜ。    さて、改めてプロへ行こうと思った俺。スレの皆が徒歩でひどい目に遭っていることを思い出す。  やっぱ、カプラ使おうかね。うん、そうしようなんか裏切りっぽいけど。 「プロへよろ」 「畏まりました。1200zenyで御座います」  えーと、財布には…… 「お姉さん」  ん、なんだ?誰かが腕をつついてる。 「シャツ着たローグのお姉さん」 「あ?何だテメエ」  一睨みした先にはHiプリ♀。彼女は見事な笑顔のスマイルマスクで視線をかわし、ぼそぼそと耳元でささやいた。 「あの、ポタならウチの方が安いです。プロなら一人300zenyですが、どうでしょうか」 「なに。あんたポタ子か」 「はい。こちらです」  なんという営業妨害。やるねぇ。感心しながらついていくと、  少し離れた所にアコプリ達が朝っぱらからポータルを開いていた。  その前には一杯の人だかり。実際の金銭絡んでくると、需要に合せて客が流れるのは当たり前か。  Hiプリ♀に300zenyを渡し、案内されてプロ行き担当のアコ♂の前まで来た。すでに7人ほど集まっている。 「そ、それでは。プロ、出します!」  初々しい感じのお子様アコ♂が宣言した。  むにゃむにゃと唱えて青ジェムが砕け散り、エイッ!と合掌。ポタが出ない。  再度実行するアコ♂だが、やはりポタが出ない。俺を含めてがやがやとヤジを飛ばすプロ行き客。 「すいません、もう一度やります」  泣きっ面になりながら再度挑戦し、ようやく出た。  ほっと一息つくアコ♂を尻目にポタに乗った俺。  さて、プロか。さぞかし人でごった返してやがるに違いない。思いを馳せながら目の前が暗転。  一瞬後に光が差して、鬱蒼と生い茂る森の中。唖然とたたずむ俺達8人。  わぁい、森林浴だー……って違う!闇ポタじゃねえか! ----------  蝶で一人がモロクへ戻り、ポタ屋のお子様アコ♂とスマイルマスクのHiプリ♀がやってきた。 「このたびは、ウチの者がそそうをいたしまして。ほら、謝りなさいドン亀!」  アコ♂が後頭部を叩かれた。頭を下げるアコ♂は言葉も出ない。  リエッタよりも頭二つも小さいお子様をいびってやがる……なんかムカつくぜ。 「おい、テメーは誤らねえのかプリさんよ、見たところアンタが保護者だろうが」 「それはこの子が……ゴホン。いえ、大変申し訳ありま」 「マスクつけたまま何言ってやがる。こっちは客だぞ、失礼だろうが!」  そうだそうだ!金返せポタ屋!と、傍観していた外野も口々に攻め立てる。 「わかりました、この通りです。申し訳ありません」  Hiプリがマスクに手をかけて外すと、その場の空気が一変した。  つぶらな瞳が涙をたたえ、神に許しを請う聖女のようにこちらを一瞥する。芸術のように均整の取れた頬を一滴の涙が滑り落ち、 艶やかなブロンドの光を照り返して儚く輝いた。 「なんと」「これはまるで天帝フレイヤのよう」「あの美しい髪はどうだ。シフ様を彷彿と」おいまて、おまいら。  確かに、男だったらわき目も振らずに凝視するほどの顔立ちだった。  だが今の俺は女(リエッタ)だ。上目遣いがムカついてしかたねぇ。 「バッキャロー!困り顔で誤魔化そうったってそうはいかねえぞテメエ!」 「そんな、どうしたら許してもらえるのですか。この通りですから……うぅ」  問い詰めると両手で顔を隠し、さめざめと泣き始めた。どよめく外野。中には俺を非難するような視線を投げかける奴までいる。  さすがにやりすぎたかと思い、Hiプリに駆け寄ると彼女がぼそぼそ小さく囁いた。 「フフ、馬鹿ねぇ。所詮男は私みたいな可愛い女の味方なのよ。ま、砂まみれの小娘には理解できないでしょうけど?」  こ、こんの腹黒プリがぁ!上等だ、ぶん殴ってやる!  いきり立つ俺だが、さえぎるように止めた奴がいた。アコ♂だ。 「もう、いいんです。僕がわるいんですから。お姉さんのお気持ちは決して忘れませんから」  そのまま俺のシャツを握り締めて号泣するアコ♂。  なんだこの感覚は。俺まで涙出そうになって。あ、手が勝手にアコの頭をなでなで。  ええい、うろたえるな俺、女体のせいだクソッたれ。うげ、鼻水ついた。と、ともかく。 「お前がそんな事言ったら、拳の振り下ろし先が無いじゃねーかよ。このお子様」  アコ♂へぼやき、毒気を抜かれた俺。 「まあまあ、ここらでいいじゃありませんか。なんでしたら、私が払い戻しいたしましょう」  外野から調子のいい声。分かっちゃいたが男って馬鹿だ。美人相手に一生、鼻毛を数えられてろってんだ。  このアコもこんなのになっちまうのかね。はぁ…… (ショタフラグON。母性本能に+10。) ----------  もうポタ屋の世話にはならねえと啖呵を切り、アルベルタの街中へ。  うう……ここは嫌な思い出しかない。さっさとプロ行こう。  やっぱカプラだよカプラ。ポタ屋なんて時代遅れもはなはだしいぜ。 「1800zenyで御座います」  モロクより高っ!意地張るんじゃなかった。  船は常識的に考えると時間かかりすぎるしな。仕方ねえよな>>235も待ってるだろうし。 「畏まりまして御座います。むにゃむにゃ……」  足元にいきなりポタ。ポタじゃねえのかもなコレは。  目を閉じ、開けると緑のベンチが並んだ見慣れた場所。  ようやく着いたな。……なんか違和感が。  冒険者より町の人のが多いからか。  >>195へ。酒場で呑んでるよ。 ----------  酒場に入って気がついた。  棚にあるのは葡萄酒に発泡酒。蒸留酒は麦のみだ。  なんてこった。俺の好物、米の水がねえ!  あ、でもアマツあるしな。 「マスター、清酒とか焼酎は?アマツの酒」 「セイシュ、ショウチュウ?知らないな。それ以前に、税金余計にかかるから輸入品は入れたくないんだよ。すまんな」  類似品すらねえのかよ。  仕方ないのでチーズが乗ったパン切れを肴に発泡酒を一杯ひっかけた。  ……>>195こねぇな。放置プレイか俺。待ってろなんて厚かましかったかな。  などと思いながら暗い店内を見渡すと視界がぶれた。ぽっぽと頬が火照り、鼓動が頭に響く。  あ?お、おかしいな……この程度で俺が。体が違うっていっても、ジョッキ半で。  彼女の部屋にはアルコールの類が無かったことを思い出す。  悪女の癖に、身持ち硬すぎだろお前。  頭の中でぼやいた次の瞬間、俺はふらりと椅子からずり落ちた。  やべぇ。床が冷たくてきもちいいよぉ……お休み。 ***************************************** ■195(ローウィン)SIDE・・・  あの後すぐに蝶を使い、プロンテラに戻った後に  酒場を探して一日。  その酒場で一日待ってみたものの一向にこない。  もしやと思い、再びプロを巡り歩いてみたら…それらしいのがいた。  酒場が2箇所あるとはな・・・  傷だらけで小麦色の肌のローグ・・・間違いないな。  さすがに酔いつぶれたままで放っておくのも可哀想だし、  運よく近くに宿もあるから休ませておくことにする。  リエッタを抱きかかえて(軽いな…)と思った。俺がSTR型だからだろうか。  発泡酒の支払いを済ませ、宿屋「ネンカラス別館」へ。 「いらっしゃいま・・・あらあら、どうなさいました?」 「ちょっと連れが酔いつぶれたみたいで・・・二人分お願いします」  リエッタをベッドに寝かし、俺は毛布を借りて床で寝ることにする。 ***************************************** ■リエッタSIDE・・・  夜中に目が覚めたのは、酒を飲んだ所為だろう。 「う、頭イテエ」  寝ぼけた頭でしばらくボーっとしていると、急に催してきた。 「厠、厠ぁー」  はしたなく便所と連呼しつつ廊下へ出る。  表示に従い、たどり着き、おもむろにホットパンツとブリーフをずりおろす。  なんだか切れが悪い。あーモノが無かったんだった。途中からしゃがみこむ俺。  薄もやがかかったまま部屋に戻ると、何かに足を取られてずっこけた。 「いてえな……」  こけたところには毛布があった。これにつまづいたのだろう。  面倒くさくなった俺はここで寝ることにして毛布の中へ入った。  ふと、自分のとは違う匂いを感じた。  俺(リエッタ)の体臭だろ、いい加減体が違うことに慣れようぜ俺。  納得してそのまま眠りに落ちた。 ***************************************** ■195(ローウィン)SIDE・・・  軽い衝撃でうっすらと目が覚めた俺195。  寝返りをうったら何かにぶつかった。  いつの間にか抱き枕が用意されているとは、なんという良サービス。  温かくてやわらかくていい匂いー。  がっしり抱きかかえて・・・おやすみなさい。 ***************************************** ■To Be Continued...  小鳥のさえずりが耳に届く。朝の日差しが柔らかく顔を打ち、俺は目を開く。  朝か。昨日はやっちまったぜまったく。酒を知らんとはこの世の楽しみの半分も……?  寝息が二つあることに気がつき、視線をずらすと、毛布から緑のハネ毛が飛び出ていた。  恐る恐るめくってみると、清らかな乙女の顔が現れた。