〜ローグvs忍者〜 <<登場人物>> ・リエッタ・・・悪女。 ・如月朔夜・・・♀忍者。 <<備考>> リエッタと如月の合流〜決着まで。 ****************************************** ■リエッタSIDE・・・  と言うわけで波止場付近であたりを見渡し>>278こと如月を探す俺。  赤メガネに風車のかんざしは……お。いたいた。  律儀にもベンチで正座している忍者♀。  かんざしで結い上げた髪。青白いうなじが色っぽいぜ。  なにやら懸命に巻物を読みふけっている様子で、難しい顔をしていた。  邪魔しちゃ悪いとも思ったが、むっちりした絶対領域が気になったので声を掛けてみた。 「読み物してる所へ失礼しますー。如月朔夜さんでしょうか?」  巻物から視線を上げた忍者♀は、胡乱な表情でこちらを見据えた。 「てめえ、リエッタだな。よくも俺のことを勝手にお色気キャラにしやがって」  立ち上がった忍者はバゼラルドを逆手に構え、剣指を作った。 「へ?ちょ、ちょっとまて。だって忍者ってローグもかくやというほどの露出絵ではいてないで有名」 「いいから氏ね」  彼女が足元へ手を突いた瞬間、地中へ潜った。 「どこ行きやがった!出て来い!!」  不発に終って怒り狂う如月。  恐れをなした俺はそのままdjでこそこそ逃げ出した。 ****************************************** ■如月SIDE・・・  リエッタに(練習も兼ねた)紅炎華をぶつけてやろうと思ったらdjか何かで逃げやがった。 「マジでどこ行きやがった!」  あぁそうだよ!なんでもないように話していたが下着の色やら何やらは本当はめちゃくちゃ恥ずかしかったさ!  この鬱憤は言い出した奴にぶつけるのが一番だと思っていたしな。 「あぁもう、的はその辺の石とかで良いか・・・!?」  練習+鬱憤晴らしでその辺の石に向かい氷閃槍やら紅炎華やらを撃ってみた。  きちんと出るようだ。 「今度はLv1で速度優先で当ててやろうか・・・?それなら当たるだろうし威力も低いからたいした怪我にならないだろうし」  ・・・いや、落ち着け、落ち着け俺。Koolになれ。  そんな事をしても意味が無い。逆に皆に危険視されそうだし。  そうなったらやばすぎるだろう。  深呼吸とかでもしてとにかく落ち着こう。  スゥーハァースゥーハァー・・・スゥーハァー・・・スゥーハァー・・・ヒッヒッフーヒッヒッフー  ・・・って違っ!  ・・・よし、多少は落ち着いた・・・と思う。  悪かった、リエッタ。  そういうわけだから下着ネタやお色気ネタは出来れば俺に対しては控えて欲しい。  こちらも出来るだけ逆上しないようにはするつもりだが。  スキルもきちんと使える事が分かったし、イズやプロ周辺で練習をしてみようと思う。  街に居るときはイズ・プロどちらかに居ると思う。  見つけたら声でもかけてくれ。 ****************************************** ■リエッタSIDE・・・  地の中で方向が分からなくなった俺。  グレンのいうとおり、やはり方向音痴なのだろか。  記憶が確かならばイズの波止場の上にあるベンチ付近は断崖絶壁。  下手すりゃ海にドボンだ。出たら殺されるのは目に見えてるし、どうしたものか。  少しずつ地中を掘り返していると上から何か聞こえた。 「……ヒッヒッフーヒッヒッフー」  ラマーズ法?上でお産でもしてんのかよ。  とりあえず上に人が居るということは建築物の下ではないことは確かだと思った俺。  地中から一気に浮上した。 「うぉあ!」  肩にずしりと重みが圧し掛かり、頭上から悲鳴が聞こえた。 「あん?」  左右を見ると黒いニーソと素晴らしいまでの絶対領域が俺の肩に乗っていた。 「て、てめえ……いい加減に!」  顔から血の気が引く。恐る恐る上を見ると怒りに燃える赤メガネ。 「あ、あはは。肩車楽しいよねぇ、じゃなくてだアレだその。事故で」  再びハイドを行なおうとした俺だが、ガッチリ三角締めを決められて逃げられない。 「逃げようったってそうはいかねえ」 「ひ、ひぃ!」  バゼラルドを再び握って印を結んだ如月。  術が来ると思った瞬間、肩の重みが消え失せた。  ドン、と衝撃が背に響き、もんどり打って地面へ転がった俺。  地から天を仰ぎ見ると、宙を舞う華麗な忍者が死の宣告を放った。 「龍炎陣!!」  爆音が全身を打ち、リエッタの声高な金切り声が他人のように聞こえた。  景気のいい音と共に気泡で視界が埋まり、結局落ちるのかと毒づいた。 ****************************************** ■如月SIDE・・・  多少は落ち着けたのでリエッタが出てきたときに怒らずに話せるか?  って思った瞬間に足元から何かが出てきやがった!  いきなりだったから「うぉあ!」って悲鳴を上げてしまったけどもなにが、って・・・  またてめぇかリエッタ!お前はどんなに俺にセクハラすりゃ気が済むんだ!  今度は逃がさねぇ・・・絶対ぶち当ててやる!  何か「事故で」とか言ってるけどそんな事は後で聞いてやる!  ・・・ん?またハイドでもしようとしてるのか?そんな事させるわけ無いだろうが! 「逃げようったってそうはいかねえ」  足元に出てきたり絶対領域とか言ったり脚が好きならその脚で捕まえといてやるよ!  捕まえたまま龍炎陣の詠唱が完了したからとっさに動けないように突き飛ばして・・・ 「龍炎陣!!」  リエッタに向かって術を放つ!  あいつはそのまま海に落ちてったがな。  ・・・って海に落ちた? 「うわっ、やりすぎた!?」  頭に血が上ってる時に聞いたのでそういや事故とか言ってたような・・・  頭が冷えた俺は急いで港に行って小さな船を出してもらって落ちた所ら辺に連れて行ってもらった。 「・・・よかった。生きてるっぽいな」  そのまま船に引き上げ港に戻った後船を出してくれたおっちゃんにお礼を払って・・・と。  水を吐かせた後に、気絶しているっぽいリエッタを膝枕して起きるまで待ってやる事にした。  海に落としたのは俺の責任だしな。それは謝らないと。  あと、 「事故とはいえ何回もセクハラしてくれたからそのことでちょっと説教でも・・・」  その後仲直りでもすれば良いか。  次セクハラしたらバゼラルドの柄で頭小突いてやると決めとこう。 「起きるんなら早目に起きろよ〜」  とか軽くいいつつ。 ****************************************** ■リエッタSIDE・・・  後頭部の異常なまでの心地よさに、良い夢を見たような気がした。  目を覚ますと、目の前に赤メガネの忍者がいた。  背中に嫌な汗をかきつつ、とりあえず挨拶をしてみた。 「お、おはよう」 「おはようリエッタ。早速だが、そのまま聞け。まずは俺の蛮行を謝ろう。 だが、お前はなんだ初対面の相手に対していきなりはいてないだのフンドシ だのいいやがってかりにも女に対してそんなことをいうとはうんぬんかんぬ んうんちくうんちく……」  ――数時間後。 「だからお前はローウィンに対してもまず誠意のある行動で」  まだ続いていた。  俺は地べたに土下座して地に頭を擦りつけながらもう勘弁してくれと懇願した。 「ん?まぁいいか昼飯時だしな」  ほっと息をつく俺。同時に、髪が塩を吹いている事に気が付いた。  あーそっか俺海に落ちたんだっけ。説教聴いてる間に乾いちまったな。  服も海水が微妙に乾いてベトベトだ。  ホットパンツの中のブリーフがよじれてなんか変な感じだ。  安物だから替えはいっぱいあるしな。えい。 「ぶっ!ちょっ、おまっ!バカヤロー!!」  顔を真っ赤にした如月に殴られた。 ******************************************