〜警備隊vsBSローグペア〜 ・グレン…♂BS。 ・リエッタ…萌悪女。 ・ローウィン…攻城戦型♀AX。 〜備考〜 伊豆Dでの出来事〜解散まで。 ******************************************************** ■グレンSide…  そんな訳で無事に伊豆についた。リエッタからの連絡を受けて普通の格好に戻したお陰もあってか  伊豆の警備兵にも特に怪しまれた様子はない。どうやら本当にうまくかわせたようだ。  正直船まで追ってこられたらどうしようかと思ってたが、安心して乗ってこれた。  さて、伊豆洞窟についた。ここはどうやら島の内部の空洞の中にあるらしい。  ところどころ、岩間から光が差し込んでいるのとヒカリゴケのようなもので案外中は明るい。  めいっぱいの海の匂いと、歩いてるだけで服が湿ってくるような湿気が漂っている。  ドゥームスレイヤーの代わりに担いだ風2HAが水の元素かなんかと反応してるのか、ジワジワと変な音を立てていた。  そういえば、ここはよく考えてみると結構重要な狩場になりそうだ。  何しろ晩飯のおかずが周りにゴロゴロしてやがる。カニにサザエにクラゲに・・・  そこそこデカい生き物を殺して食うのはもうルナで慣れてきたから、まあ問題ないし。  敵の強さも手頃だ。中の人的には本来楽勝で勝てるはずの敵あたりから慣れていきたい。  そんな訳で、今日の晩飯は海鮮鍋です。蒸しガニやらクラゲの和え物やら実用系の料理もやってみようかね。  半製造ステだし中の人もそこそこ料理するから、さほどヤバいものにはならんだろう・・・  ところでリエッタとローウェンに頼みがあるんだ。要はまぁ・・・俺の誤解を解いて欲しいんだが。  騎士団にしょっぴかれるのは1回でこりごりだからな。悪いがちっと頼みたい。  とりあえず3人分の材料をサクッと集めないとな。適当に狩りながらそっち向かうぜ。  さぁ、久しぶりに本気でブーストして食材集めでもやるとするか。  攻撃速度が増加しました  叫びました  アドレナリンラッシュ状態になりました  オーバートラスト状態になりました  ウェポンパーフェクション状態になりました。 「イイイイイィィィィヤッホォォォォォォウ!!!」  あ、しまったフルブーストはやべぇwwwwwww  みwなwぎっwてwきwたwぜwwwwwwww ******************************************************** ■リエッタSide… ――イイイイイィィィィヤッホォォォォォォウ!ホォォォウ!ホォォォウ、ホォォォ……  馬鹿でかい声が洞窟に木霊した。思わず耳を押さえた俺は、ヤニを踏み消し入り口方向へ呼びかけた。 「お、来た来た。おーい」  しばらくして、磯の匂いをたっぷり漂わせた♂BSが鍾乳石の向こうから姿を現した。  俺を見つけた♂BSは咥えていたカニニッパをばきりと噛み砕く。  さすがワイルド。匂いはカートからであり、海鮮類が山積みだった。  出会い頭に自己紹介をしあう俺達。♂BSはリエッタより頭三つ高い。分厚い胸元が開いていて非常にセクシーだ。  晩飯について談笑した後、ふと思い出したように聞いてみた。 「ところで、ローウィンへやろうとしてた薬って?」 「あぁ、これこれ」  ごそごそと溢れかえるカートを探り、数刻。 「あったあったこれこれ。めちゃ苦い薬」 「あーこれね。あんまりVit料理って見ないからさー」  ふと、複数の足音が洞窟に響いていることに気がついた。まぁ、冒険者かなにかだな。PT狩りだろPT狩り。 「貸して貸してー」 「いいぜ」 「動くなっ!!」  受け取った瞬間、大音声が響いた。びくりとしてそちらを見やる俺達二人。  目の前には長い帽子が×3つ。槍を構えた衛兵娘だ。 「プロンテラ首都防衛司令部の者だっ!麻薬取引の現行犯で逮捕する!!」  顔を見合わせた俺達は一瞬置いて状況を理解した。 「「な、なんだってー!?」」  二人の声が見事なハーモニーを奏でた。 ******************************************************** ■ローウィンSide…  なんてこった。  私が”くだも”のナイフ改め果物ナイフでウサギリンゴを作ってる間に  リエッタとグレンが大変なことに。  何かあったときの為に下準備だけはしておく事にする。  攻城戦型、とか言っておきながら今までパーティとギルドの事を忘れていた。  しかしどうすればギルドチャットになるのか…。  確か荷物の本にTipsメモが…あった。  ”右のイヤリングに手をあてるとパーティ機能が使えます。  左のイヤリングに手をあてるとギルド機能が使えます。”  とのことだ。  早速試してみることにする。 ロ ”マスター、いる?” マスター(マ) ”お?どしたん”  おお、通じた。 ロ ”もし私に何かあったら身元の保証みたいなのをして欲しいんだけどいいかな” マ ”ゲームで身元の保証って何すんのw”  逆毛まで聞こえてきた。いや、これは雰囲気か。  どうやらマスター側は普通にリアルからつないでるらしい。 ロ ”まぁ、そうなんだけどね”  この手法はあまり使いたくはなかったが。とりあえずこれで良し。 ******************************************************** ■グレンSide…  何てこった。よりによってこのタイミングで捕まるとは。クスリを届けに来たと言って現れた目元モザイクの不審なBSが通報されて  逃亡した後海底洞窟の人目につかない場所で悪女と落ち合い、クスリらしき物を受け渡し。  誰がどう見てもクロな展開じゃねぇか。しかし奴らは振り切ったはず・・・どうなってる!? 「クソッ、てめぇら何時から尾けてやがった!?」 「第三騎士団から連絡があって、快速船を追って上陸した。海軍の小型艇でな。  それからずっと貴様を泳がせて取引相手と接触するのを待っていたという訳だ。」 「畜生、何でバレた!?変装は完璧だったはずだぞ!」 「完璧・・・?」  怒りと焦りで狼狽する俺に槍を突きつけながら、中央の衛兵子Aは呆れたように鼻で笑った。  ちらりと目線をカートにやり、あごで指した先にはカートからはみ出た愛斧ドゥームスレイヤー。 「そんな馬鹿でかい斧を担いで歩いてる時点で犯人の特徴丸出しだ!!」 「しまったぁぁ!!?」 「こ・このバカー!」 「ぉごぅ!?」  頭を抱える俺の鳩尾をリエッタの強烈な蹴りツッコミが一撃した。  不意の一撃に思わずヒザをつく俺をびしりと指差し、リエッタは青い顔をしてぷんすか怒っている。 「誤解を深めてどーする!今のやり取り思いっきりクロじゃねーか!!」 「ゲホ・・・それもそうだな。よし落ち着けお前ら。  いいか、これはフロントの姉ちゃんの誤解なんだ。さっきの薬は麻薬なんかじゃなく・・・」 「問答無用!ここまで来て言い訳や弁解が通ると思うな!!」  ずい、と顔の近くまで突きつけられるパイクの穂先。ああもう、こりゃ言っても聞きやしねぇな。  こうなったら実力行使だ。どうやらローウィンももう治ったみたいだし、薬がなくても構わんだろう。  覚悟を決めた俺はパイクを掴み、軽くぐいっとこちらに引っ張った。 「わっ・・・!」  慌てて槍を引き戻そうとする衛兵子。その力に乗せるように、俺は槍ごと衛兵子をぶん投げた。 「きゃあああああああああ!!」  槍を握ったまま衛兵子Aは派手に吹っ飛んで行き、洞窟の壁でしこたま背中を打って崩れ落ちた。  呆然とする残りの衛兵子BCと、驚き慌てるリエッタを尻目に俺は斧を振り上げた。 「ちょっ、おま、何やってん」 「ハンマァァァァフォォォォォル!!!」  衛兵子BCの足元にハンマーフォールを叩き込み、固まってるリエッタの手からめちゃ苦い薬をもぎ取る。  2人のうち少なくとも片方が膝を折って倒れたのを目の端で確認し、俺は壁に背中を打ちつけて倒れている衛兵子Aの方へ走った。  そして起き上がろうとする衛兵子Aを再び捻じ伏せ、槍を遠くに転がし動けないようにガッチリ押さえ込む。 「口で言って分からねぇなら、カラダで教えてやるぜ!!」 「やっ・・・やめ・・・」 「ちょっ・・・マジで何をする気だお前ーーーー!!?」  何やら後ろでリエッタが悲痛な叫びを上げているようだがそんなの関係ねぇ!  怯える衛兵子の首根っこを押さえつけ、空いた手で薬の袋の紐を緩め―― 「この下種があああああああ!!!」  そこで3人目の衛兵子が槍を構えてこっちに突っ込んで来た。  しまった、耐え切りやがったか。このタイミングで突っ込んで来られたらヤバい! 「リエッタ!!」  一か八か、俺は何故か半泣きで頭を抱えてるリエッタに向かって叫んだ。 ******************************************************** ■リエッタSide…  というわけで伊豆Dで大騒ぎな俺達。  ♂BSが衛兵を投げ飛ばした瞬間、頭から血の気が引いた。  その上組み敷いて口を割らせって、あ、あああああ! 「ちょっ・・・マジで何をする気だお前ーーーー!!?」  あまりの絶望的な状況に、目じりに涙がたまった。ついでにむやみやたらに頬が上気して不安で頭が一杯になる。  おかしい、俺はこんなにヘタレだったか?  そういや女性は野郎より防衛本能が強いから脅えやすいとか聞いたことが。  しかし、なんてこった。楽しいROライフが。もしかするとこの先一生を豚箱で過ごさなきゃいけねーのか。 「この下種があああああああ!!!」 「リエッタ!!」  槍を持って突撃する衛兵を前に、悲痛な声で俺に呼びかける♂BS。 「うわーん、バカヤロー!」  俺は泣きながら衛兵に突貫した。槍の穂先がこちらを向く前に、握りこんだ砂を衛兵の顔面に投げつける。 「わぶっ!目が、目がー!!」  そのまま♂BSの横を通り過ぎた衛兵は、水面に突っ伏して水柱を上げた。  俺は涙を手の甲で拭きはらい、ともかく理解してもらおうと口を開いた。 「違うっていってるだろうが!いいか!その薬ははるばる遠方から来て、風邪をひいた友を助けるためにコイツが用意した心のこもった  ものなんだぞ!それを勘違いして。人相が悪いからってお前達は、おまえたちは……ふえーん!!」  涙腺が緩んだ俺はその場にぺしゃんと尻餅をついて泣き始めた。  洞窟にサイレンのように響く俺の泣声に、毒気を抜かれた衛兵娘sは困惑の体で顔を見合わせる。 「あ、あのー。リエッタ……さん?」  突然の号泣にうろたえる♂BSが俺へと近寄り声をかける。 「ぞれ、グスッ。貸じて」 「あ、ああ」  立ち上がった俺は鼻水を啜り上げ、♂BSからめちゃ苦い薬を受け取った。 「今がら、それを証明ずるんだがら、見てなざいグズッ、あんだ達!」  ごきゅん、と一気に飲みこんだ。  しばらくして喉の奥から苦いような、苦しいような、訳けの分らない感覚が込み上げる。  ……やべ、喉に詰まった。  ぎょるっと目玉が白目を剥き、そのまま後ろへとぶっ倒れた。 ******************************************************** ■グレンSide…  その展開はねーよ。  この言葉が脳裏をかすめるのももう何度目だろうか。もはや考えるのも面倒臭い俺♂BSことグレン90歳。  誤解を招くことに定評がある悲しい逆毛だ。  リエッタのナイスフォローで、めちゃ苦い薬を衛兵娘に無理やり飲ませて麻薬じゃない事を証明する作戦は成功するところだった。  いざ口の中にねじ込もうとした時に、リエッタがこれまでの経緯を奴らに言ってくれたのもよかった。あの説明はなんか照れて困るが。  その直後に号泣し出した時はもう色んな意味で焦ったというか驚いたが、衛兵娘sもそれで毒気を抜かれた様子だった。  更に麻薬じゃない事を身をもって証明するため、自分が飲むと言い出したのもよかった。こりゃ穏便に済みそうだと安堵したさ。  そしたら、だ。 「え、オイ。ちょっと待てぇぇぇぇ!?リエッタ!!?」 「えええ!?」  あの野郎、いきなり白目剥いてブッ倒れやがった。あまつさえ何かピクピク痙攣してやがる。  ちょっと待て、一体どうなってんだ!?あれは何の変哲もないめちゃ苦い薬のはずだぞ?  あまりの苦さに走り回るかとは思ってたが、何でブッ倒れてんだよ!? 「畜生、どうなってんだ!?あの薬まさか賞味期限が――いや既に腐ってやがったのか!?」 「・・・さっき心がこもったものだとかって言ってたのに・・・」 「と、とにかく介抱しないと。クソ、一体何だってんだ・・・お前らも手伝ってくれ!」  返事の代わりに飛んできたのは、衛兵子Aの槍だった。その突きは存外に鋭いものだったが、  かわしきれず体勢を崩したのが幸いし、肩をかすめて地面を突いた。 「危ねぇな!何すんだコラァ!!」 「うるさい!猿芝居もいい加減にしろこの下種がッ!!」 「は?さっきから何で俺がお前らに下種呼ばわりされる筋合いがあるんだよ!」  攻撃されて頭に血が上った俺は、衛兵娘Aは勿論、奴とブッ倒れたリエッタの間でおろおろする他の2人もまとめて怒鳴りつけた。  すると衛兵娘Aはボッと火が灯るように顔を赤くして俺を睨みつける。予想だにしなかった反応に面食らう俺に奴は怒鳴り返した。 「よくもぬけぬけと・・・!貴様さっき自分が私に何をしようとしたか・・・忘れた訳ではあるまい!」 「女とは言え武器持った兵隊が敵に槍突きつけといて、投げ飛ばされた程度で下種呼ばわりとは随分じゃねぇか。それでも軍人かコラ」 「違う!その後だ!!」  いっそう顔を赤くして俺を睨みつけ、微妙に目を逸らす衛兵娘A。本当に訳が分からん。  訳が分からんので言葉を待っていると、奴はとんでもない事を言い出した。 「私を組み伏せて・・・口で言って分からないならカラダで教えてやる、だと・・・?女だと思って馬鹿にするなこの下種がッ!!  どうせその娘も騙していたんだろう。お前の言葉など信じる価値はない!!」 「なっ・・・」  あまりの誤解されっぷりに思わず絶句する俺。今度は俺が顔を赤くする番だった。 「ばっ馬鹿野郎てめぇ一体何言ってんだ!確かにそんなような事は言ったがな、俺はあの薬を無理やり飲ませて  麻薬じゃねーって事を身を以って分からせてやろうとだな!!」 「ハッ、何を言い出すかと思えば!あんな薬を水もなしで無理やり飲ませようとする馬鹿がどこにいる!無理やり飲ませても飲める訳がないだろう!  せいぜい咳き込んで吐き出すか、さもなければ喉を詰まらせるのがオチに決まって・・・・・・あれ?」 「・・・・・・・・・」  そのことに気づいてしまった俺たちは、今まで全力で怒鳴り合っていたのも忘れて、ブッ倒れてるリエッタの方を向いた。 「・・・水、飲まないで一気飲みしたよなアイツ・・・?」 「・・・た、確かに・・・」  ああ、そんなオチかよ。ただの喉詰まりかよ。驚かせやがって。・・・あー良かった。 「よーし」  そうと決まれば、と俺は腕まくりをしてリエッタの背中を叩いている衛兵娘2人に声をかけ、  まだ薬を吐き出さないリエッタを抱えると、大きく息を吸い込んだ。 ******************************************************** ■リエッタSide…  矢を放つ。どんどん放つ。目の前の敵に向け、微風を放つ矢尻が次々に飛ぶ。  幾ら撃っても倒れないのは半漁人だ。針山のようになりながら三間、二間と間合いが詰まった。  ついに身体が見えなくなる程矢が刺さり、ようやく歩が止まった。  肩で息をした。だが、吐いたはずの息がでないことに気が付いた。  苦しさに顔が歪み、腹に思い切り力を入れて吐こうとした。なにか喉につっかえている。  不意に、目の端の針山が動いたように思えた。  はっとして顔を上げると、半漁人のタラコ唇が目の前にあった。 「ぼへっ、げはっ!ごほっごほっ……くっ、来るな!この魚野郎め!!」  反射的に手が出た。  ぼりゅっと音がして目を開く。  半漁人が、♂BSグレンになっていた。あ、あれ。なんか俺の指が目玉を突いている。 「ふぎゃぁぁぁ!目がっ!ってバルスかよっ!!」  俺を投げ落としたグレンはノリツッコミを入れながら目玉を押さえてのたうち回る。 「あらまぁ。愛しそうに抱き上げたからてっきりそういう関係だとおもったんだけど」  おっとりとした言葉の方向を見ると、衛兵娘sが居並んでいた。 「違ったみたいだな。乙女を乱暴しようとした罰だ」  押し倒されてた奴だな。 「はいはい。目潰しには緑Pですよ」  俺に砂をくらった奴が、同じ症例を患ったグレンを介抱し始めた。  緑の水滴がグレンの赤くなった目に落るのを見ながら、前後の記憶を思い起こした。  え、えーと確か俺は、泣きながら薬飲んで……詰まっちまったんだっけ。 「ちょっといい?」  押し倒された衛兵娘が近寄ってきて、俺の目蓋を下げ、脈を取り、指の数を数えさせた。 「え、あ!?ちょっ!」  最後に、引ん剥かれて脇の下とか股の間とかの間接部位を見られた。 「大丈夫みたいね。嫌疑は晴れました。本来なら役宅までしょっ引いて行くのですが、この度は止しとします」  な、なんだこの偉そうなもの言いは。  そういや昔は、疑わしい人を見つけたら、先ずしょっ引くのが当たり前だったなと思い出す。 「ごめんなさいね。隊長は真面目ですから」  おっとりした口調の、スタンしてた衛兵娘が謝った。 「何をゴチャゴチャと言っている!二人とも、帰るぞ!」  蝶を取り出した衛兵娘sは次々に帰還していった。スタン衛兵が、にこやかに手を振っていたのが印象に残った。  ぴちょん、と水の滴る音が聞こえた。 「なんか、どっと疲れたな」 「ああ……目玉、ごめん」 「いや、眼福だったからお釣が出る」 「……見やがったなテメー」  グレンのスネを蹴り上げた。 ----------------------------------------------------------------------------------------------------------------  さて、伊豆Dに未だに滞在している俺。  金が無いから狩に来たのに、GETしたのは心臓×4。  これでは晩飯の食材にもならないので、グレンに一旦別れを告げ、更に奥へ潜ることにした。  B4階と言えば知ってのとおり潜行していくわけだが、息も出来るし普通に歩ける。  水圧だとか水の抵抗だとかが全然ないのはまさにファンタジーか。  WBが怖いので剣魚を率先して倒す。こいつは骨ばっかで食えるとこがないな。  イクラは……美味いのかこれは。うげ、雷管キモイ。  マルクって、タツノオトシゴだよな。天麩羅でぐらいしか食ったこと無いけど、これはデカすぎで没。  ヒドラは論外。うーん触手が料理に使えるしな。一応持って帰るか。  次に、跳ねるように泳いでいたカジキマグロみたいなフェンを撃ち倒した。  こいつはきっと美味いに違いない。  とりあえず一匹持って帰ってみることにした。  さらに下へ行く俺。  djでこそこそしながら目的の魚類を探す。  地面から顔だけ出して見渡す。  おっと、いたいた。アンコウアンコウ。 ******************************************************** ■グレンSide…  奥に進むというリエッタと別れて引き返した俺。体感する伊豆4に興味はあったが戻る理由は幾つかある。  まず俺のステ。極STRの半製造なんてネタステなんで破壊力だけはあるがすぐ息切れする。  BSなので見た目どおり体は自体は頑丈だがガードも甘いし動きも鈍いから結局脆いのだ。  リアルに例えるとパンチの巧いまけぼの。クリティカルもちょこちょこ叩き出す技巧派のまけぼの。  一瞬で殴り殺すか、さもなければクリーンヒットをぼこぼこ食らってこっちが沈む。  とてもじゃないが沸きが激しい4Fは無理。もう一つの理由は・・・  海の幸がこれだけあって鍋には十分、特製山海珍味もほぼ材料揃ってる。あと足りないのは何だ?  そう、リエッタの中の人も大好きな米の酒だ。  だがリエッタの体は酒に弱いんだったな。少し飲めそう、って言うなら探してくるぜ。  加減が分かれば倒れやしねぇだろ多分。とりあえずプロじゃ怪しいからベルタで・・・・・・ 「グレン!聞こえるか!?」  頭に突然響く男の声。知らない声だが何故かそいつの名前が頭に浮かぶ。  ・・・ちょっと待て。この名前は・・・  俺のメインのアサじゃねえか!!  どうなってる?混乱する俺を後目に声は焦った様子で続ける。 「装備の修理人が足りないからベースに来てくれ!  流行り風邪で軒並みヤられて全然人がいねぇんだ!」  ・・・なるほど。どうやら、リアルとは繋がっているが微妙にズレもあるようだ。  こっちの住人と接点を持つのも悪くないし俺のメインが勝手に動いてるのも興味深い。  実はよく修理間に合わないとき、こいつにccして修理やってたんだが、それと同じ展開だし。  行ってくるか。行ったら行ったで戦争みたいな騒ぎだろうが。  って訳でリエッタ。酒の件だけどうするか決めてくれ。飯までには戻る! ********************************************************