俺がROの世界にやってきて気がつけばもう早1ヶ月の月日が流れていた。 この世界は物凄く楽しかった。 せしるんの寝室のベットに潜り込んでキャッキャウフフ かとりんの寝室のベット(以下略 たまにその様子を隠れて観察しにくるござるに LD→HLのコンボで撃沈するのもストレス解消にはバッチリだ。 そして外に放り出されたござるを自分の寝室に引きずり込むハワード。 意識を取り戻したござるの悲痛な叫びが廊下に木霊する。 セイレンの部屋は兄妹の甘い雰囲気に包まれてとてもじゃないけど進入出来ない。 いつかはセニアたんとキャッキャウフフしてやるんだと心に決めたが今のところ セイレンぶち切れ怖いので自重している。 今日は2Fのメンバーとの合同会議の日だ。 「さて。本日皆様に集まって頂いたのは徐々に増えていく侵入者対策を話し合う為です」 昨日の夜実の兄と甘い関係を育んでいたとは思えない程 凛々しくも整然とした剣士の少女イグニゼム=セニアの姿がそこにあった。 「それについては僕に考えがあります」 発言をしたのは一見すると女の子と見間違えるような可愛いアコライトの男の子。 イレンド=エベシ・・どうやらマガレ(俺)の弟らしい。 「進入ポイントに僕とマガレさんで排除ポータルを出し続けるんです」 「それはちょっと経費的に無理やと思うわぁ・・・」 研究所内の財政担当ハワードの妹でもあるアルマイア=デュンゼが異を唱える。 「うちがお手製トラップで侵入者なんか蹴散らしたる!」 「お前の罠は失敗ばかりだろ・・」 「なんやてー(怒」 意気揚々を侵入者対策を発表するござるの妹シーフの少女ヒュッケバイン=トリスに かとりんの弟で女たらしのマジシャンの男の子ラウレル=ヴィンダーが突っ込む。 「まぁまぁみんな。3Fの皆さんは何かありませんか?」 2Fを統率するセニアの副官あのぶち切れせしるんの弟とは思えない程 冷静沈着なアーチャーの男の子カヴァク=イカルスが問いかける。 「いつも通り進入してきたら蹴散らすのみ」 冷静なセイレンが愛しいセニアだけではなく2Fの少女面々を前に暴走の一歩手前のようで 口調がやや血の気の荒い感じになっている・・・危険だ。 俺はセニアに目でアイコンタクトを送りそれを察してコクリと頷く。 セイレンの腕を引っ張り自室へと連れ込むと同時に 「WRYyyyyyyyyy」 セイレンの絶叫が木霊する。間一髪だった。 「あははは」 一同に笑いが込み上げる。 「よし。エレメス俺達も や ら な い か w」 「ちょwww拙者には・・姫!お助けを〜」 「(LD)ハワードどうぞお好きに」 涙目になりながらハワードに引きずられていくエレメスを尻目に セシル・カトリに加えトリス・アルマに気分はハーレム。 セニアがいないのがちょっと悲しいけどそれは仕方が無い。 今日も研究所は平和だ。 いつまでもいつまでもこんな楽しい日々が続くのだと・・ 俺はそう思っていた (ウーーーーーーーーーーー) 静寂を破るような警報が再び研究所内に響き渡る それを聞きつけたセイレンがどことなくすっきりした感じでセニアの部屋から出てくる それについで着崩れた服を直しながらセニアがパタパタと後に続く。 監視役のリムーバーが伝令を伝えに来た 「報告します!『数名』の侵入者が研究所内にやってきました!」 「くそ・・折角いいところだったのに邪魔しやがって・・・」 「拙者は少し複雑な気分でござる。。侵入者に助けられるとは・・」 そういいながら怒りの表情を浮かべふーふーと息の荒いハワードと 複雑だといいながらどこかホッとした表情を浮かべるエレメスと合流した 「よし。2Fメンバーと共に3F入り口を固めるぞ。侵入者を全力で排除だ」 セイレンの号令と共に各自メンバーが移動を開始する ・・・・・・・・・・ ・・・・・・・ ・・・・・ 「こ・・こんなはずでは・・」 侵入者によって生体の誇る最強の精鋭メンバーが壊滅状態に陥ってしまったのである こんな事は生体研究所始まって以来の大惨事・・・ そんな事よりも俺には信じられない出来事と直面していた。 「そんな・・あのメンバーとあの装備は・・・間違いない・・『俺』だ」 そこには「ラグナロク」をゲームととしてプレイした頃の使用キャラクターがいた 所属していたギルドのメンバーと共にメンバーの構成は生体温もりニヨ鉄板。 「こんなの・・夢だ・・俺はこのまま・・死んでしまうのか?」 放心状態の俺に単身ブチ切れ状態で必死に応戦しているセシルから怒号が飛ぶ 「マガレ!ちゃんと支援しろ!何やってんのよ!!」 (支援・・?ッハ・・そうだ・・俺はHiプリーストじゃないか!) 気持ちを切り替えて倒れた仲間を蘇生し立て直し。 2Fメンバーと連携し支援をきっちり固めて戦闘を再開する。 ・・・・・ ・・・・・・・ ・・・・・・・・・ 「終わった・・のか」 壊滅の危機を無事回避したAI機能での縛りをセシルの助言で突破する事が出来た だが・・これが本当の戦い・・初めて恐怖が襲って来た。 今までは大好きな生体メンバーに囲まれて幸せにだった・・ 現実の世界で親から愚痴を聞かされることもなければ煩わしい対人関係に悩む事もない ついこのさっきまでこの世界にずっと居たいと思っていたが 急に元の世界に戻りたい。そう切実に願いながら戦いつかれた俺は自室に戻り眠りに付いた。 目が覚めたら眼前にPCのモニターと生体研究所で壊滅していたメンバーと共に転がっていた そして俺の死体の近くにマーガレッタ=ソリンが佇みまるでモニター越しの俺を見つめるかのように ハートエモーションを出してスッとどこかに去っていった・・・・